多くの会社は株主総会の案内と同時に委任状を送るか、
欠席時の対応の指示してきますので、まずはそれに従うこようにしてください。
それがない場合、本文例に示した項目を参考に作成ください。
記載事項と説明
1.委任の意思表示
誰が誰に委任するかを明確記載するとともに「令和〇〇年〇〇月〇〇日開催の〇〇〇〇株式会社第〇回定時株主総会」のように一意に指定する必要があります。
2.委任者と受任者の表示
受任者(代理人)が株主総会で提示する身分証明書(運転免許証/パスポートなど)住所と同一の氏名、住所を記載します。その他、株主を特定できる情報として、株主番号や持ち株数も記載しておくのがよいでしょう。
また、会社保有の株式の場合、その会社の従業員である証明となる社員証も必要になる場合がります。会社によっては代理人が株主に限られている場合もありますので、あらかじめ確認が必要です。
3.委任事項
総会に出席し、発言、議決権行使、株主提案など委任する内容を記載するか、「総会への出席と議決権の行使他、一切の件」とすることもできます。場合によては、前もって提示された議案各号(例えば1号議案に賛成票を投じる議決権を行使すること)など書くこともできます。
4.委任日
委任をした日を書きます。
5.委任者の署名捺印
委任状の印は届出印で押します。
株主番号 No.
所有株数 株
委任状
私は、 を代理人に定め下記の権限を委任します。
記
令和2年6月30日開催の〇〇〇〇株式会社 第10回定時株主総会に出席し、以下の議案につき、私の指示(〇で表示)に従い議決権を行使すること。
第1議案 原案に対して 【 賛 】【 否 】
第2議案 原案に対して 【 賛 】【 否 】
第3議案 原案に対して 【 賛 】【 否 】
ただし、賛否の表示がされてないとき、及び、議案の目的の範囲内で修正が行われてたときは、その決定を一任する。
令和 年 月 日
株 主
住 所
氏 名 印
(自署/記名・届出印での捺印)
株主総会に株主自らが出席できない場合、会社法では代理人による議決権の代理行使を認めています。(第310条第1項)
この場合、株主または代理人は、代理権を証明する書面を会社に提出しなければなりません。
その証明書類が上の委任状です。また、会社の承諾を得ることで委任状に記載すべき事項を電磁的方法(メールなど)で提供することもできます。(第310条第3項)
その際、注意すべきは、代理人となれる資格の規定です。招集通知書にその資格について記載があれば従う必要があります。
また、記載がない場合でも定款で代理人を
株主に限っていることがありますので、確認が必要です。
ただし、会社所有の株式に関して代表者の代わりに従業員が出席する場合はその限りではありません。
この委任状は、総会毎に毎回提出する必要があります。(第310条第2項)
議決権の行使に関しては、「議決権の不統一行使」(第313条)も認められていますので、必要に応じて代理人に召集通知記載の各議案毎に議決権の割り振りを指示をするとよいでしょう。
-参考:会社法条文-
(議決権の代理行使)
第310条 株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当該株主又は代理人は、
代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。
2 前項の代理権の授与は、株主総会ごとにしなければならない。
3 第1項の株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより
株式会社の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
4 株主が第299条第3項の承諾をした者である場合には、株式会社は、正当な理由がなければ、
前項の承諾をすることを拒んではならない。
5 株式会社は、株主総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。
6 株式会社は、株主総会の日から3箇月間、代理権を証明する書面及び第3項の電磁的方法により
提供された事項が記録された電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
7 株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。
次条第4項及び第320条第5項において同じ。)は、株式会社の営業時間内は、いつでも、
次に掲げる請求をすることができる。
1 代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求
2 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧
又は謄写の請求
Posted: 2007 - Updated: 10/24/2007